ウィリアムズ・FW38

ウィリアムズ・FW38
フェリペ・マッサがドライブするFW38 (2016年マレーシアGP)
カテゴリー F1
コンストラクター ウィリアムズ
デザイナー パット・シモンズ
(チーフ・テクニカルオフィサー)
先代 ウィリアムズ・FW37
後継 ウィリアムズ・FW40
主要諸元
エンジン メルセデス PU106C Hybrid
1.6L V6ターボ
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム ウィリアムズマルティーニ・レーシング
ドライバー ブラジルの旗 フェリペ・マッサ
フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
出走時期 2016年
通算獲得ポイント 138
初戦 2016年オーストラリアGP
最終戦 2016年アブダビGP
出走優勝表彰台ポールFラップ
21(42台)0100
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ウィリアムズ・FW38 (Williams FW38) は、ウィリアムズ2016年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。

概要

この年参加する全11チームに先駆けて2016年2月19日に公開された。前年のFW37の正常進化型で、見た目の違いはサイドポーンツーンの空気取り入れ口の形状が若干丸みを帯びたぐらいであるが[1]、チーフ・テクニカルオフィサーのパット・シモンズFW36やFW37に見られた弱点である低速域でのパフォーマンス改善に努めたと述べた[2]

2016年シーズン

初開催のバクーで行われたヨーロッパGPの予選でバルテリ・ボッタスがF1史上最高速度の378km/hをマークした[3]。ボッタスはメキシコGPの決勝で372.5km/hを出し、決勝では2005年イタリアGPファン・パブロ・モントーヤ(372.6km/h)に次ぐ歴代2番目の速度となった[4]

この事は、2014年以降の高速コース向き・低速コースが不得手なクルマの特徴がいまだ残り続けている証明でもあった。ダウンフォースが少なくホイールスピンが起きやすく、タイヤ消耗が激しい特徴も同じであった。

上記のような速さはあったものの、この年は同じメルセデス製パワーユニットを搭載するフォース・インディアを下回り、コンストラクターズランキング5位に転落した。表彰台もカナダGPでボッタスが3位になったのみであった。中盤以降タイヤ交換を他チームより一回少なくする作戦が多かったが、相対的な他チームとの性能差は広がる一方だった。イタリアGPを前に、フェリペ・マッサが2016年限りでのF1引退を発表した[5](ただし、翌2017年1月に撤回[6])。

この年をもってチームを去ったシモンズは、FW38の“根本的な欠点”が空力にあったと指摘している[7]

スペック

シャーシ

エンジン

  • エンジン名:メルセデス PU106C Hybrid
  • 気筒数・角度:V型6気筒・90度
  • 排気量:1,600cc
  • 最高回転数:15,000rpm(レギュレーションで規定)
  • シリンダーブロック:砂型鋳造アルミニウム
  • ターボ:シングル
  • バルブ数:24
  • バルブ駆動:圧搾空気式

ERS システム

  • メーカー:メルセデスAMG F1 HPP
  • バッテリー出力:4MJ(1周あたり)
  • MGU-K 出力:120kW
  • MGU-K 最高回転数:50,000 rpm
  • MGU-H 最高回転数:125,000 rpm

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 ポイント ランキング
AUS
オーストラリアの旗
BHR
バーレーンの旗
CHN
中華人民共和国の旗
RUS
ロシアの旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
CAN
カナダの旗
EUR
アゼルバイジャンの旗
AUT
オーストリアの旗
GBR
イギリスの旗
HUN
ハンガリーの旗
GER
ドイツの旗
BEL
ベルギーの旗
ITA
イタリアの旗
SIN
シンガポールの旗
MAL
マレーシアの旗
JPN
日本の旗
USA
アメリカ合衆国の旗
MEX
メキシコの旗
BRA
ブラジルの旗
ABU
アラブ首長国連邦の旗
2016 19 ブラジルの旗 マッサ 5 8 6 5 8 10 Ret 10 20† 11 18 Ret 10 9 12 13 9 7 9 Ret 9 138 5位
77 フィンランドの旗 ボッタス 8 9 10 4 5 12 3 6 9 14 9 9 8 6 Ret 5 10 16 8 11 Ret

脚注

ウィキメディア・コモンズには、ウィリアムズ・FW38に関連するカテゴリがあります。
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  1. ^ "ウイリアムズ、2016年型『FW38』を公開". AUTOSPOTweb(2016年2月19日). 2016年8月23日閲覧。
  2. ^ "ウィリアムズ、FW38を公開". F1-Gate.com(2016年2月19日). 2016年8月23日閲覧。
  3. ^ “初開催バクーでF1最高速記録を更新、コース設計者も驚き”. TOPNEWS (2016年6月21日). 2016年10月24日閲覧。
  4. ^ “Mexico stats - Hamilton moves level with Prost”. The Official F1 Website (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  5. ^ “マッサ、今季限りでのF1引退を発表「シューマッハーと同じ場所を選んだ」”. AUTOSPORTweb (2016年9月2日). 2016年10月24日閲覧。
  6. ^ “ウィリアムズ、バルテリ・ボッタスに代えてフェリペ・マッサの起用を発表”. F1-Gate.com (2017年1月16日). 2017年1月17日閲覧。
  7. ^ “ウィリアムズ 「2016年のスランプはチームを“生き返らせる”」”. F1-Gate.com (2016年12月27日). 2016年12月27日閲覧。
  8. ^ “Williams Martini Racing Launches FW38”. http://www.williamsf1.com/racing/news/williams-martini-racing-launches-fw38 2016年8月23日閲覧。 
イギリスの旗 ウィリアムズ・レーシング
チーム首脳
  • イギリスの旗 ジェームス・ボウルズ (チーム代表)
  • 不明の旗 マシュー・サベージ (Williams Grand Prix Holdings会長 / ドリルトン・キャピタル会長)
  • イギリスの旗 ジェイムズ・マシューズ(英語版) (Williams Grand Prix Holdings取締役)
主なスタッフ/関係者
現在のドライバー
F1車両
現在のPUサプライヤー
現在のスポンサー
※役職等は2023年時点。
  • 過去のチーム関係者
元チーム関係者
創設者
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
※年代と順序はウィリアムズで初出走した時期に基づく。 ※ウィリアムズにおいて優勝したドライバーを中心に記載。太字はウィリアムズにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。斜体はウィリアムズにおいて優勝がないものの特筆されるドライバー。
  • F1以外の車両 ※関与のみの車両も含む。
F2
プロトタイプ
ラリー
ツーリングカー
  • 過去の関連組織
タイトルスポンサー
エンジンサプライヤー
  • 前身
  • Template:フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ を参照。