1983年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第80回ワールドシリーズ(英語: 80th World Series)は、10月11日から16日にかけて計5試合が開催された。その結果、ボルチモア・オリオールズ(アメリカンリーグ)がフィラデルフィア・フィリーズ(ナショナルリーグ)を4勝1敗で下し、13年ぶり3回目の優勝を果たした。
両チームの対戦はシリーズ史上初めて。両球団の本拠地都市を州間高速道路95号線(Interstate 95)が結んでいるため、今シリーズは "I-95シリーズ" とも呼ばれた[3]。オリオールズは敵地ペンシルベニア州フィラデルフィアで優勝を決めたあと、本拠地メリーランド州ボルチモアへはチームバスでI-95を通って凱旋している[4]。シリーズMVPには、第2戦の5回裏に勝ち越し・決勝の適時二塁打を放つなど、5試合で打率.385・1本塁打・2打点・OPS 1.390という成績を残したオリオールズのリック・デンプシーが選出された。
ワールドシリーズでは1976年から指名打者(DH)制度が導入され、1985年までの10年間は、偶数年は全試合で採用、奇数年は全試合で不採用とされていた[5]。したがって今シリーズでは、DH制は採用されていない。
試合結果
1983年のワールドシリーズは10月11日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月11日(火) | 第1戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 2-1 | ボルチモア・オリオールズ | メモリアル・スタジアム | |
10月12日(水) | 第2戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 1-4 | ボルチモア・オリオールズ |
10月13日(木) | | 移動日 | |
10月14日(金) | 第3戦 | ボルチモア・オリオールズ | 3-2 | フィラデルフィア・フィリーズ | ベテランズ・スタジアム |
10月15日(土) | 第4戦 | ボルチモア・オリオールズ | 5-4 | フィラデルフィア・フィリーズ |
10月16日(日) | 第5戦 | ボルチモア・オリオールズ | 5-0 | フィラデルフィア・フィリーズ |
優勝:ボルチモア・オリオールズ(4勝1敗 / 13年ぶり3度目) |
第1戦 10月11日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
ジョン・デンバーによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分8秒) |
6回表、ジョー・モーガンのソロ本塁打でフィリーズが同点に追いつく(1分1秒) |
8回表、先頭打者ギャリー・マドックスの本塁打でフィリーズが勝ち越し(1分9秒) |
次打者ボー・ディアスの本塁打になりそうな飛球を、左翼手ジョン・ローウェンスタインがフェンス上に手を伸ばし捕球(42秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 5 | 0 |
ボルチモア・オリオールズ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 |
- 勝:ジョン・デニー(1勝) 敗:スコット・マクレガー(1敗) S:アル・ホランド(1S)
- 本塁打
PHI:ジョー・モーガン1号ソロ、ギャリー・マドックス1号ソロ
BAL:ジム・ドワイヤー1号ソロ - 審判
[球審]マーティー・スプリングステッド(AL)
[塁審]一塁: エド・バーゴ(NL)、二塁: アル・クラーク(AL)、三塁: フランク・プーリ(NL)
[外審]左翼: スティーブ・パレルモ(AL)、右翼: ダッチ・レナート(NL) - 夜間試合 試合時間: 2時間22分 観客: 5万2204人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第2戦 10月12日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
5回裏、オリオールズのジョン・ローウェンスタインが同点のソロ本塁打を放つ(51秒) |
7回裏、カル・リプケン・ジュニアの適時打でオリオールズがリードを3点に広げる(42秒) |
9回表、マイク・ボディッカーがマイク・シュミットを空振り三振に仕留めて試合終了、オリオールズが1勝1敗のタイに(1分3秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 |
ボルチモア・オリオールズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | X | 4 | 9 | 1 |
- 勝:マイク・ボディッカー(1勝) 敗:チャールズ・ハドソン(1敗)
- 本塁打
BAL:ジョン・ローウェンスタイン1号ソロ - 審判
[球審]エド・バーゴ(NL)
[塁審]一塁: アル・クラーク(AL)、二塁: フランク・プーリ(NL)、三塁: スティーブ・パレルモ(AL)
[外審]左翼: ダッチ・レナート(NL)、右翼: マーティー・スプリングステッド(AL) - 夜間試合 試合時間: 2時間27分 観客: 5万2132人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第3戦 10月14日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ボルチモア・オリオールズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 3 | 6 | 1 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 2 |
- 勝:ジム・パーマー(1勝) 敗:スティーブ・カールトン(1敗) S:ティッピー・マルティネス(1S)
- 本塁打
BAL:ダン・フォード1号ソロ
PHI:ゲイリー・マシューズ1号ソロ、ジョー・モーガン2号ソロ - 審判
[球審]アル・クラーク(AL)
[塁審]一塁: フランク・プーリ(NL)、二塁: スティーブ・パレルモ(AL)、三塁: ダッチ・レナート(NL)
[外審]左翼: マーティー・スプリングステッド(AL)、右翼: エド・バーゴ(NL) - 夜間試合 試合時間: 2時間35分 観客: 6万5792人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第4戦 10月15日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
9回裏、ティッピー・マルティネスがジョー・モーガンを二直に打ち取り試合終了、オリオールズが優勝に王手をかける(29秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ボルチモア・オリオールズ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 5 | 10 | 1 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 10 | 0 |
- 勝:ストーム・デービス(1勝) 敗:ジョン・デニー(1勝1敗) S:ティッピー・マルティネス(2S)
- 審判
[球審]フランク・プーリ(NL)
[塁審]一塁: スティーブ・パレルモ(AL)、二塁: ダッチ・レナート(NL)、三塁: マーティー・スプリングステッド(AL)
[外審]左翼: エド・バーゴ(NL)、右翼: アル・クラーク(AL) - 昼間試合 試合時間: 2時間50分 観客: 6万6947人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第5戦 10月16日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
オリオールズのエディ・マレーが2回表に先制ソロ本塁打、4回表に2点本塁打を放つ(1分9秒) |
3回表、リック・デンプシーのソロ本塁打でオリオールズがリードを2点に広げる(55秒) |
オリオールズ先発投手スコット・マクレガーがフィリーズ打線を完封。最後はギャリー・マドックスを遊直に打ち取り、オリオールズの優勝を決める(2分37秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ボルチモア・オリオールズ | 0 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 |
- 勝:スコット・マクレガー(1勝1敗) 敗:チャールズ・ハドソン(2敗)
- 本塁打
BAL:エディ・マレー1号ソロ・2号2ラン、リック・デンプシー1号ソロ
- 審判
[球審]スティーブ・パレルモ(AL)
[塁審]一塁: ダッチ・レナート(NL)、二塁: マーティー・スプリングステッド(AL)、三塁: エド・バーゴ(NL)
[外審]左翼: アル・クラーク(AL)、右翼: フランク・プーリ(NL) - 昼間試合 試合時間: 2時間21分 観客: 6万7064人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
脚注
- ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2019年10月13日閲覧。
- ^ Jack Berk and Josh Berk, "October 16, 1983: Orioles win World Series behind McGregor's shutout," Society for American Baseball Research. 2019年10月13日閲覧。
- ^ Bart Barnes, Martin Weil and Washington Post Staff Writers; Contributing to this story was Washington Post Staff Writer Michael Martinez, "High-Flying Fans Cheer Orioles in Baltimore," The Washington Post, October 17, 1983. 2019年10月13日閲覧。
- ^ John Cronin, "The Historical Evolution of the Designated Hitter Rule," Society for American Baseball Research, 2016. 2019年10月13日閲覧。
外部リンク
- Baseball Almanac(英語)
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1983 World Series - IMDb(英語)
- 動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿した試合映像
- 第5戦:1983 World Series, Game 5: Orioles @ Phillies
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- 2039
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カテゴリ |
ボルチモア・オリオールズ 1983年のワールドシリーズ ロースター |
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| | | 監督 26 ジョー・オルトベリ コーチ 31 レイ・ミラー(投手) 40 ジミー・ウィリアムズ(一塁) 44 エルロッド・ヘンドリックス(ブルペン) 47 カル・リプケン・シニア(三塁) 54 ラルフ・ロウ(打撃) |
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ボルチモア・オリオールズ |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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オリオールズ球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(3回) | |
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ワールドシリーズ敗退(4回) | |
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リーグ優勝(7回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | - ノーフォーク・タイズ(AAA級)
- ボウイ・ベイソックス(AA級)
- アバディーン・アイアンバーズ(High-A級)
- デルマーバ・ショアバーズ(Low-A級)
- フロリダ・コンプレックスリーグ・オリオールズ(Rookie級)
- ドミニカン・サマーリーグ・オリオールズ(Rookie級)
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フィラデルフィア・フィリーズ |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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フィリーズ球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(2回) | |
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