吹奏楽曲

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吹奏楽曲(すいそうがくきょく)は、主に管楽器打楽器からなる吹奏楽編成の楽団によって演奏されるために作曲された楽曲

概要

吹奏楽曲は、主に以下のようなジャンル分けができる。

曲名に、作曲者によって明確にジャンルを謳っている楽曲は、上述のようなジャンル分けが可能である一方で、それを明示しておらず、曲の内容から鑑みた場合にこれらの分野の中間的な存在の作品もある。

吹奏楽の歴史的な背景から、吹奏楽曲は、 音楽ホール舞台で演奏されることを想定したものばかりでなく、機会音楽として屋外の特設ステージなどで演奏されるものや、マーチングバンドや鼓笛隊などによって行進しながら演奏されるものも多い。

演奏に際しては、指揮者[1]を用いることが一般的である。


主な作曲家と楽曲

作曲家の生年順に並べている。

作曲賞、作曲コンクール

権威ある団体や著名な吹奏楽団が主催する、吹奏楽曲を対象として表彰を行う作曲賞や、公募による作曲コンクールも存在する。

  • オストウォルド賞(現 スーザ/ABAオストウォルド賞)(米国)
    アメリカ吹奏楽指導者協会(英語: American Bandmasters Association(ABA)により、1956年から毎年開催されている、もっとも歴史ある吹奏楽作曲賞の一つ。2011年に後藤洋が「ウィンド・アンサンブルのためのソングズ」で受賞。
  • ウィリアム・レヴェリ作曲コンテスト(米国)
    全米吹奏楽協会(National Band Association、NBA)が主催し、1977年から毎年開催される。
  • ウォルター・ビーラー記念作曲賞(米国)
    イサカ大学音楽学校が主催し、1987年から隔年で開催される。
  • サドラー国際吹奏楽作曲賞(米国)
    ジョン・フィリップ・スーザ財団(英語: John Philip Sousa Foundationにより、1983年から隔年で開催されていた。
  • フランク・ティケリ国際作曲コンテスト(米国)
    アメリカの楽譜出版社マンハッタン・ビーチにより、カテゴリー1(グレード1-2)、カテゴリー2(グレード3-4)の2部門で開催される。入選作はマンハッタン・ビーチから出版される。
  • クー・ド・ヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクール(フランス)
    2006年に真島俊夫が「鳳凰が舞う-印象、京都 石庭 金閣寺」で、2018年に芳賀傑が「水面に映るグラデーションの空」でグランプリを受賞。
  • ハレルベケ国際吹奏楽作曲コンクール(ベルギー)
    日本からも応募があり、松平頼暁らが入賞している。
  • コルチャーノ国際吹奏楽作曲コンクール(イタリア)
    コルチャーノの観光協会とコルチャーノ市により、毎年開催される。日本からは西邑由記子が応募し入賞している。
  • 世界吹奏楽協会(WASBE)国際作曲コンテスト
    世界吹奏楽協会により、2017年より2年おき(2022年からは毎年)に開催される。2019年に岡村雄之典が「Lamento d’introduction et Scène de prière」で第3部門「管弦楽における管楽合奏」第3位を受賞、2023年に清水大輔が「空を削るもの」で第2部門「グレード3-4の吹奏楽」最終選考に選考される。
  • 東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクール
    東京佼成ウインドオーケストラにより、2006年より3年おきに開催される。
  • 朝日作曲賞
    朝日新聞社および全日本吹奏楽連盟により、毎年開催される。入選作品は原則として全日本吹奏楽コンクールの課題曲となる。
  • 全日本吹奏楽連盟作曲コンクール
    全日本吹奏楽連盟が創立70周年を記念して、2008年に朝日作曲賞とは別に新たに創設した。第1位作品は翌年度の全日本吹奏楽コンクールの課題曲Vに設定される。
  • 日本管打・吹奏楽学会作曲賞
    • 日本管打・吹奏楽学会活動の一環として、小学校・中学校・高等学校の吹奏楽活動における様々な編成(小編成〜大編成、管楽器を含む自由な編成)に対応する新しいレパートリーの開発と普及や、優秀な作曲家の育成を目的としている。
  • JBA下谷賞
    日本吹奏楽指導者協会により、毎年開催された。2007年からは「21世紀の吹奏楽実行委員会」が主催する「響宴」の作品から選考された。2020年から2022年までは新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)により作品募集を中断する。その後JBAが独自に作品募集と選考を行っている[2]
  • 笹川賞創作曲コンクール
    日本国民音楽振興財団(現 日本音楽財団)の目的である「アマチュア音楽の振興」の趣旨に則り、日本人による作曲を奨励し、それらの曲をこの分野のアマチュアに普及させ、併せて新人作曲家の登竜門にしようと制定された創作曲コンクールである。1974年度から1993年度まで19回実施された[3]
  • 福島市古関裕而作曲コンクール
    <趣旨> 「古関裕而のまち・ふくしま」の進展と発展に加え、昭和から現代にまで歌い継がれる名曲を生み出した古関裕而の功績をレガシーとして継承し、次世代を担う作曲家の育成と世界へ羽ばたく機会を創出するため、100年の計としてのコンクールを開催する。
    <目的> 優秀な作品を発掘し、全国の多くの吹奏楽団体で演奏されるレパートリーの開拓を目指す。

脚注

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注釈・出典

  1. ^ マーチングバンドでは、指揮者はドラムメジャーの呼称で呼ばれる。
  2. ^ “JBA下谷賞について”. 公益社団法人日本吹奏楽指導者協会. 2022年12月8日閲覧。
  3. ^ 財団25年の歩み日本音楽財団

関連項目

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