ノクターナル・アニマルズ

曖昧さ回避 この項目では、アメリカ合衆国の映画について説明しています。錦戸亮の楽曲については「Nocturnal (錦戸亮のアルバム)」をご覧ください。
ノクターナル・アニマルズ
Nocturnal Animals
監督 トム・フォード
脚本 トム・フォード
原作 オースティン・ライト(英語版)
ミステリ原稿(英語版)
製作
  • トム・フォード
  • ロバート・サレルノ(英語版)
出演者
音楽 アベル・コジェニオウスキ
撮影 シェイマス・マクガーヴェイ
編集 ジョーン・ソーベル
製作会社 Fade to Black Films
配給
公開 イタリアの旗 2016年9月2日 (VIFF)
アメリカ合衆国の旗 2016年11月18日
日本の旗 2017年11月3日
上映時間 116分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $22,500,000[2]
興行収入 世界の旗 $32,398,681[3]
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ノクターナル・アニマルズ』(Nocturnal Animals)は、2016年アメリカ合衆国のドラマ・スリラー映画。監督・脚本はトム・フォード、出演はエイミー・アダムスジェイク・ジレンホールマイケル・シャノンアーロン・テイラー=ジョンソンアイラ・フィッシャーアーミー・ハマーローラ・リニーなど。オースティン・ライト(英語版)の1993年の小説『ミステリ原稿(英語版)』を原作としている。日本でのソフト発売の際のタイトルは『ノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち』。主要撮影は2015年10月5日よりカリフォルニア州ロサンゼルスで行われた。

第73回ヴェネツィア国際映画祭ではコンペティション部門で金獅子賞を争い[4]審査員大賞を獲得した[5]。2016年11月18日にフォーカス・フィーチャーズの配給により米国で封切られた[6]

あらすじ

アートギャラリーのオーナーであるスーザンは、夫のハットンと共に裕福に暮らすが、夫婦の間に距離が生まれ、心は満たされていない。そんな彼女の元に、永らく音信のなかった元夫のエドワードから小包が届き、彼の書いた小説『ノクターナル・アニマルズ』の校正刷りと「感想が欲しい」旨の手紙が添えられていた。〔以下、現在、小説の映像化、過去の回想を交差させて展開する。〕 【小説】トニーが妻ローラと娘インディアを乗せて夜のハイウェイを走っていると、2台の車から執拗な嫌がらせを受け、三人の男たちがトニーを殴り倒して妻と娘を車に押し込んで連れ去る。荒野に置き去りにされたトニーが駆け付けたボビー警部補と共に事件の足取りを辿ると、ごみ処理場で妻と娘の全裸遺体を見つける。別の強盗事件で妻娘殺害に関与した一味のルーが逮捕され、続いて主犯のレイが逮捕されるが、警察の追及にも二人はしらを切る。逮捕された二人は証拠不十分で釈放されるが、肺がんで余命短いボビーはトニーと共に、ケリを付けようと二人を小屋に閉じ込め自白を迫り、逃げるルーをボビーが、レイをトニーが射殺する。しかしレイの反撃で目をやられたトニーは、落とした銃に誤って倒れ、自爆して死んでしまう。 【過去】スーザンは元夫エドワードとの思い出を回想する。学生時代のスーザンは、兄の友人として幼馴染だったエドワードとニューヨークで偶然再会し、交際へと発展する。やがて二人が望んだ結婚をスーザンの母は、作家志望のエドワードに経済力や将来性は見込めないと猛反対するが、それを乗り越え二人は結婚した。その後、エドワードの小説を読んだスーザンは、私小説から抜けられない彼の精神的な弱さを指摘するが、アドバイスすれば口論になり、次第に二人はすれ違っていく。そしてスーザンは、経済力も将来性もあるハットンに出会って惹かれ、エドワードの元を去った。 【現在】スーザンはエドモンドに、小説を称賛し会いたい旨のメールを送る。会う約束の日、スーザンはドレスアップして化粧は地味にして、何かを期待するかのように高級レストランで一人待つが、閉店が迫って客がはけても待ち人は現れなかった。

キャスト

※括弧内は日本語吹替

現実世界

小説「夜の獣たち」

製作

2015年3月24日、スモーク・ハウス・ピクチャーズ(英語版)のパートナーのジョージ・クルーニーグラント・ヘスロヴオースティン・ライト(英語版)の1993年の小説『ミステリ原稿』を基にしたスリラー『Nocturnal Animals』を製作予定であることは発表された[7]。監督にはトム・フォードが就任し、脚本も自身で手掛けた[7]。翌日、ジェイク・ジレンホールが主人公のトニー役に決まり、またエイミー・アダムスが女性主人公のスーザン役で交渉中であり、さらに別の役でホアキン・フェニックスアーロン・テイラー=ジョンソンが候補に挙がっていることが報じられた[8]。2015年5月17日にフォーカス・フィーチャーズが米国での配給権、ユニバーサル・スタジオが国際配給権を獲得した[9]。フォーカスは2000万ドルの契約金を支払ったが、これは第68回カンヌ国際映画祭では最高額であった[9]。2015年8月6日、テイラー=ジョンソンはジレンホールのキャラクターの家族に脅威を与える謎の人物役を務めることが明かされ、さらにマイケル・シャノンが暴力事件を調査する刑事役でキャストに加わった[10]。2015年8月28日、アーミー・ハマーがアダムスのキャラクターの夫のウィーカー・モロー役で加わった[11]。2015年9月9日、トニーの妻のローラ・ヘイスティングス役でアイラ・フィッシャーが加わった[12]。2015年9月18日、エリー・バンバーがトニーの娘役でキャストに加わった[13]。2015年9月30日、ロバート・アラマヨ(英語版)がさらに加わった[14]。2015年10月5日、カール・グルスマン(英語版)が出演契約を交わしたことが報じられた[15]。2015年10月8日、ピーター・ニョンゴがキャストに加わった[16]

2015年10月5日、主要撮影カリフォルニア州ロサンゼルスで始まった[15][17]。撮影は2015年12月5日に完了した[18]

公開

Nocturnal Animals』のワールド・プレミアは2016年9月2日に第73回ヴェネツィア国際映画祭で行われた[19][20]。また2016年9月9日に第41回トロント国際映画祭[21]、10月14日にロンドン映画祭でも上映された[22]

北米では2016年11月18日より劇場公開が始まった[6]

日本では北米公開から約一年が経過した2017年11月3日に公開される。

作品の評価

第73回ヴェネツィア国際映画祭での上映の際の批評家の反応は概ね良く、アダムス、ギレンホール、シャノン、テイラー=ジョンソン、シーンの演技が賞賛された[23]Rotten Tomatoesでは30件の批評家レビューで支持率は80%、平均点は7.3/10となっている[24]。またMetacriticでは14件の批評家レビューで加重平均値は75/100となっている[25]

受賞とノミネート

受賞歴
授賞式 部門 候補 結果
ヴェネツィア国際映画祭[5] 2016年9月10日 審査員大賞 トム・フォード 受賞

出典

  1. ^ “La Biennale di Venezia - Venezia 73”. 2016年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月11日閲覧。
  2. ^ Galloway, Stephen (2016年9月7日). “Tom Ford's Inner Life: A Director's Turmoil, Depression Battles and Staggering Talent”. The Hollywood Reporter. 2016年9月7日閲覧。
  3. ^ “Nocturnal Animals (2016) - Financial Information”. The Numbers. 2019年9月29日閲覧。
  4. ^ “Venice Film Festival 2016”. Deadline (2016年7月28日). 2016年7月28日閲覧。
  5. ^ a b “Venice Film Festival: Golden Lion To ‘The Woman Who Left’; Tom Ford’s ‘Nocturnal Animals’, Emma Stone Take Major Prizes – Full List”. Deadline (2016年9月11日). 2016年9月11日閲覧。
  6. ^ a b “Nocturnal Animals”. Box Office Mojo. 2016年5月24日閲覧。
  7. ^ a b Kit, Borys (2015年3月24日). “Tom Ford Teams With George Clooney for Thriller 'Nocturnal Animals' (Exclusive)”. hollywoodreporter.com. http://www.hollywoodreporter.com/news/tom-ford-teams-george-clooney-783758 2015年3月30日閲覧。 
  8. ^ Kit, Borys (2015年3月25日). “Jake Gyllenhaal, Amy Adams Circling Tom Ford's 'Nocturnal Animals'”. hollywoodreporter.com. http://www.hollywoodreporter.com/news/jake-gyllenhaal-amy-adams-circling-784502 2015年3月30日閲覧。 
  9. ^ a b Fleming Jr, Mike (2015年5月17日). “Focus Features Wins Tom Ford’s ‘Nocturnal Animals’ In Whopping $20 Million Cannes Worldwide Rights Deal”. deadline.com. http://deadline.com/2015/05/tom-ford-nocturnal-animals-focus-features-worldwide-rights-cannes-1201428620/ 2015年5月31日閲覧。 
  10. ^ Kroll, Justin (2015年8月6日). “Aaron Taylor-Johnson, Michael Shannon Join Jake Gyllenhaal’s ‘Nocturnal Animals’ (EXCLUSIVE)”. variety.com. http://variety.com/2015/film/news/aaron-taylor-johnson-michael-shannon-nocturnal-animals-1201558117/ 2015年8月16日閲覧。 
  11. ^ Hipes, Patrick (2015年8月28日). “Armie Hammer Joins Tom Ford’s ‘Nocturnal Animals’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/08/armie-hammer-nocturnal-animals-cast-tom-ford-1201509346/ 2015年8月30日閲覧。 
  12. ^ Fleming Jr, Mike (2015年9月9日). “Isla Fisher Joins Tom Ford’s ‘Nocturnal Animals’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/09/isla-fisher-joins-tom-fords-nocturnal-animals-1201519527/ 2015年9月22日閲覧。 
  13. ^ Fleming Jr, Mike (2015年9月18日). “Tom Ford Adds Ellie Bamber To ‘Nocturnal Animals’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/09/tom-ford-ellie-bamber-nocturnal-animals-1201534752/ 2015年9月22日閲覧。 
  14. ^ A. Lincoln, Ross (2015年9月30日). “Robert Aramayo Nabs Roles In ‘Game Of Thrones’ & ‘Nocturnal Animals’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/09/robert-aramayo-game-of-thrones-nocturnal-animals-1201550645/ 2015年10月12日閲覧。 
  15. ^ a b A. Lincoln, Ross (2015年10月5日). “Karl Glusman Joins ‘Nocturnal Animals’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/10/nocturnal-animals-adds-karl-glusman-1201567610/ 2015年10月12日閲覧。 
  16. ^ A. Lincoln, Ross (2015年10月8日). “Stan Lee & William Shatner To Unveil Collaboration At Comikaze 2015; ‘Nocturnal Animals’ Adds Peter Nyong’o”. deadline.com. http://deadline.com/2015/10/stan-lee-comikaze-to-reveal-shatner-lee-collaboration-1201571168/ 2015年10月12日閲覧。 
  17. ^ “On the Set for 10/9/15: Marc Webb & Chris Evans Start ‘Gifted’, Garry Marshall & Julia Roberts Wrap ‘Mother’s Day’”. ssninsider.com. (2015年10月9日). オリジナルの2016年9月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160915104330/http://www.ssninsider.com/on-the-set-for-10915-marc-webb-chris-evans-start-gifted-garry-marshall-julia-roberts-wrap-mothers-day/ 2015年10月11日閲覧。 
  18. ^ “On the Set 12/11/15: James Franco and Seth Rogen Start ‘The Disaster Artist’, Owen Wilson & Ed Helms Wrap ‘Bastards’”. ssninsider.com. (2015年12月11日). オリジナルの2015年12月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151213213620/http://www.ssninsider.com/on-the-set-121115-james-franco-and-seth-rogen-start-the-disaster-artist-owen-wilson-ed-helms-wrap-bastards/ 2015年12月13日閲覧。 
  19. ^ “Venice film festival 2016: Tom Ford's Nocturnal Animals world premiere - in pictures”. Theguardian.com. 2016年9月4日閲覧。
  20. ^ “Nocturnal Animals”. Venice Film Festival. 2016年9月4日閲覧。
  21. ^ “Nocturnal Animals”. Toronto International Film Festival. 2016年9月4日閲覧。
  22. ^ “Nocturnal Animals”. BFI London Film Festival. 2016年9月4日閲覧。
  23. ^ “Nocturnal Animals Review: Tom Ford returns with a superb, painstakingly crafted movie sure to pick up awards”. Independent.co.uk. 2016年9月3日閲覧。
  24. ^ “Nocturnal Animals”. Rotten Tomatoes. 2016年9月17日閲覧。
  25. ^ “Nocturnal Animals”. Metacritic. 2016年9月17日閲覧。

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、ノクターナル・アニマルズに関するカテゴリがあります。
  • 公式ウェブサイト(日本語)
  • ノクターナル・アニマルズ - allcinema
  • ノクターナル・アニマルズ - KINENOTE
  • Nocturnal Animals - IMDb(英語)
  • Nocturnal Animals - Rotten Tomatoes(英語)
  • Nocturnal Animals - Metacritic(英語)