ニッケイ属

ニッケイ属
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: ニッケイ属 Cinnamomum Schaeffer

本文参照

ニッケイ属(ニッケイぞく、肉桂属、学名: Cinnamomum)とは、クスノキ科に属する常緑木本から成る属。クスノキ属ともいう[1]。分布は熱帯から亜寒帯までで、およそ300種以上が属する。ニッケイ属に属する木には芳香性の成分を持つものが多く、クスノキからは樟脳セイロンニッケイ(シナモン)の樹皮ニッケイからは香料香辛料として有用な肉桂(シナモン)が採れる。学名の Cinnamomum はシナモン(肉桂)を意味する[1]

薬効

シナニッケイの樹皮は桂皮(けいひ)と呼ばれる生薬であり、日本薬局方にも収録されている。これは、体を温める作用、発汗・発散作用、健胃作用があり、多数の方剤に配合される。若い枝の桂枝(けいし)も桂皮と同様に作用があるが、こちらは日本薬局方には収録されていない。

日本には、ニッケイ(肉桂)が徳之島沖縄島久米島及び石垣島に自生しており[2]、根皮を桂皮の代用として用いる(局方外品扱い)。

桂皮を含む漢方方剤は、十全大補湯八味丸木防已湯など。

桂枝を含む漢方方剤は、葛根湯安中散柴胡桂枝湯桂枝加芍薬湯など。

主な種

  • クスノキ C. camphora
    • ホウショウ var. normale suvb. hosho
  • シナニッケイ (ケイ、トンキンニッケイ、カシア)C. cassia
  • マルバニッケイ(コウチニッケイ) C. daphnoides
  • シバニッケイ C. doederleinii
    • ケシバニッケイ var. pseudodaphnoides
  • ヤブニッケイ C. japonicum
  • オガサワラヤブニッケイ C. pseudo-pedunculatum
  • ニッケイ C. sieboldiiシノニムC. okinawenseC. pedunculatum
  • シバヤブニッケイ Cinnamomum × takusii - シバニッケイとヤブニッケイの雑種
  • セイロンニッケイ C. verum、シノニム: C. zeylanicum

脚注

  1. ^ a b 辻井達一『日本の樹木』中央公論社〈中公新書〉、1995年4月25日。ISBN 4-12-101238-0。 
  2. ^ 「島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。」より

参考文献

  • 日本の野生植物 木本I 出版:平凡社 著者:佐竹義輔 他 ISBN 4-582-53504-6
  • 初島住彦天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 沖縄生物学会、1994年。

外部リンク

  • ケイヒ|生薬について|養命酒製造株式会社
  • ケイヒ|生薬一覧|日本漢方生薬製剤協会
  • ケイヒ末|薬の成分ディクショナリー|エスエス製薬
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