ケペシュ

ケペシュ
紀元前18世紀頃のケペシュ
(ヨルダン川西岸地区のシェチェムで発見)
刀身はエレクトラムの象嵌で装飾されている。
種類
原開発国 エジプト
運用史
配備期間 紀元前3千年紀頃 - 紀元前1300年
配備先 エジプト新王国
関連戦争・紛争 カデシュの戦い
諸元
全長 約50 - 60cm
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Khopesh kh.p.sh
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x p
S
T16

ケペシュエジプト語ḫpš英語: Khopesh、発音:khepesh)は、エジプトの鎌型の剣。戦斧から発展した武器と言われている[1]

典型的なケペシュは50–60cmの長さになるが、これより小さい物も多数見つかっている。ケペシュのは、敵のを引っかけて剥ぎ取るようにデザインされている。この武器は晩期になると製から製に変わっていった。

刃先は外側に向かって鋭利になっており、端まで曲がっている。ケペシュは、戦闘で使われていたエプシロン斧やそれに近い三日月型の斧から発展した[1]。しかし、ケペシュは斧ではないと記録されている。斧ではないという事から、ケペシュは斧のように叩き切る武器ではなく、どちらかと言うとサーベルのように切りつけるタイプの剣である。ケペシュは紀元前1300年頃に使用されなくなっていった。しかし、紀元前196年の記載があるロゼッタストーンに、ある石碑kh,p,shとのスペルがあり、"sword"と言う意味を表す限定符が書かれている事が分かった。

Shall be set up a statue..., the Avenger of Baq-t-(Egypt), the interpretation whereof is 'Ptolemy, the strong one of Kam-t'-(Egypt), and a statue of the god of the city, giving to him a sword royal of victory, ...[2]

多くのファラオがケペシュを使用していた描写があり、王の墓からも何本も見つかっている。例えば、ツタンカーメンの墓からは2本のケペシュが見つかっている。

何本かのケペシュは、明らかに研がれていたが、多くの発掘品のケペシュは、明らかになまくらであり、研がれた形跡が無い。それ故、高貴な人物の墓で見つかったケペシュは、儀式用である可能性が高いと指摘されている。

脚注

  1. ^ a b Hamblin, 2006. Warfare in the Ancient Near East, pp. 66–71.
  2. ^ Budge, 1989, (1929). The Rosetta Stone, p. 155–156. (Rosetta line 6)

参考文献

  • Budge, 1989, (1929). The Rosetta Stone, ウォーリス・バッジ, (Dover Publications), c 1929, Dover edition (unabridged), 1989. (softcover, ISBN 0-486-26163-8)
  • Hamblin, 2006. Warfare in the Ancient Near East, ウィリアム J. ハンブリン, Routledge (softcover, ISBN 0-415-25589-9)
  • Nicholas Edward WERNICK (2004). “A Khepesh Sword in the University of Liverpool Museum” (PDF). Journal of the Society for the Study of Egyptian Antiquities (The Society for the Study of Egyptian Antiquities) 31: 151–155. http://jan.ucc.nau.edu/~gdc/ssea/vol31/wernick%20article.pdf 2014年4月19日閲覧。. 

関連項目

  • ショーテル - 同様に盾に対する対策としての面を持つ剣。
  • Ngulu (weapon)(英語版) - コンゴの部族が持つ死刑用の剣。